Kidzacare Saga

インタビュー動画
医療法人松籟会 介護老人保健施設
ケアハイツ虹
看護介護課長・看護師 吉岡美由季さん
看護介護課長・看護師 吉岡 美由季さん

Q.子どものころ「介護の仕事」というとどんなイメージを持っていましたか

介護が「仕事」というイメージはなかったと思います。私が子どものころは、自宅で最期を迎えることが少なくない時代です。普段の生活の中で、家族が当然のようにおじいちゃん、おばあちゃんのお世話をしていました。私の家族や親戚は同じ敷地内や近くに住んでいましたから、みんなでお年寄りを支えていましたね。介護は仕事ではなく、生活の一部でした。

Q.なぜこの仕事を選びましたか

高校生のとき卒業後、自分が何になりたいのか、大学進学か、どんな仕事をするのか、将来をイメージができなかったんですね。ただ、姉たちから「何か資格を持っていた方がいい」と言われていたので、仕事に役立つ資格を取りたいなと思っていました。
いろいろ調べていたら、仕事の求人の中に「看護学校」を見つけました。病院で働きながら5年間、看護学校に通って看護師の資格を取得できるシステムがあったんですね。大学に行きたいとは思わなかったし、働きながら資格が取れる看護師を選びました。

Q.仕事で心掛けていることはなんでしょうか。

まず、いつも一番良い判断をするために、「平常心」を心がけています。そして、相手を「気づかうこと」を心がけています。介護老人保健施設には脳梗塞などの病気で、自分の感情を言葉に出せない方がたくさんいらっしゃいます。相手を日頃から気づかっていれば、顔の表情の変化を見て、何を求めているのか感じ取れるようになると思います。

お仕事で印象に残ったエピソードを教えてください。

介護老人保健施設で働いて十数年になります。施設は入所したお年寄りたちの生活の場です。看護師は栄養を鼻や胃から取り入れるように準備をしたり、食事や入浴の介助など介護の仕事も一緒にしています。
入居者とお話をしたり、手を握ったり、触れ会う機会が増えて人となりもよく分かるようになると情が移るというのか、自分も本当の家族のような気持ちになります。意識がない方も話しかけながら、体を拭いてあげたりすると表情がやわらぐのが分かるんですよ。耳は最期まで聞こえるといいますから、私の気持ちが伝わっているなと思って嬉しかったですね。

Q.今のお仕事の魅力は何でしょうか。

若い頃は仕事も学校も一生懸命。高校卒業してすぐは、お年寄りと話をするのは苦手で、うまく会話もできなかったし、この仕事に対して、思い入れもなかったかもしれません。
学校と仕事を両立して看護師になり、結婚、出産、そして3人の子育てと忙しく過ごしていました。それでも辞めずに看護師を続けてきたのは、だんだんとやりがいを感じてきたからだと思います。
介護老人保健施設は入居者の生活の場です。看護師は一人ひとりに寄り添い、お年寄りの穏やかな生活を送る手助けして、その様子を家族にお伝えする。お伝えしたときには「ありがとう」と感謝の言葉をいただきます。感謝の言葉を直接、言っていただける仕事はほとんどないですからね。家族の一員のように信頼されている実感が、看護師としてのやりがいにつながっています。

小中学生のみなさん、保護者のみなさんへ

看護師も介護福祉士もなかなか大変な仕事です。現代はいろんなことが機械化されていますが、看護や介護の世界では人と人が触れ合うことが重要で、そこからコミュニケーションが生まれ、信頼関係につながっていきます。
今は、おじいちゃんやおばあちゃんと触れ合う機会も少なくなりましたよね。看護師の仕事を始めたら、お年寄りの楽しい経験談もいっぱい聞けます。将来、こんなおじいちゃん、おばあちゃんになりたいなというお手本がたくさんいらっしゃいますから、自分の人間性も磨かれますよ。ぜひ、看護師の仲間になってください。